アイリスオーヤマっていうほんとにすごい会社

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アイリスオーヤマ株式会社。みなさんご存知ですよね?

なんとこの会社上場してないんですよ。ましてや会社法上の大企業でもないです。なんと法的な扱いとしては中小企業。

今日はこの会社のすごいところについて書かせてください。

アイリスオーヤマがは宮城県仙台市青葉区に本社をおく、生活用品の企画、製造、販売会社です。

特筆すべきは2000年代からは家電事業に力を入れ、2012年からは他の大手家電メーカーで早期退職した技術者を大量に採用し同事業を加速させ大きく成長しました。

 

会社概要

大阪府布施市(現:東大阪市)で大山森佑が創業したプラスチック加工の町工場である大山ブロー工業所を、1964年に大山森佑の急逝に伴い息子の大山健太郎が19歳で引き継ぎ。1971年に法人化して大山ブロー工業株式会社へ改組。その後1972年に宮城県南部に新設した仙台工場(現:大河原工場)を主力工場とし、発祥の地である東大阪の工場を閉鎖。1989年に本拠地を政令指定都市移行間もない仙台市へ移転し、1991年に現社名へ改称しました。

家庭用プラスチック業界における国内最大手で利益率は極めて高いです。現在でも大企業(大規模法人)ではなく中小企業(中小企業者)として運営されており、税制面でもメリットがある経営をしています。

家電による成長の前は、家庭用プラスチック製クリア収納ケースの販売数量が爆発的に伸び、現在ではLED照明や収納、インテリア用品、園芸用品、ペット用品、日用品、資材、食品など、生活に直結する日用品を広く取り扱っています。

ホームセンターなどに様々な製品を納入するほか、ネット通販企業にも商品を納入しており毎年1000点の新商品やモデルチェンジ品を生み出しています。また、広く商材を取り扱う為に日本国内14社、中国9社、アメリカ1社、ヨーロッパ2社、韓国1社、ベトナム1社、台湾1社、タイ1社のグループ企業があります。

先述した家電部門は2012年に東芝、シャープ、パナソニックなど一般に大手家電メーカーと呼ばれる企業で早期退職した優秀な技術者を大量に採用。経営者は自社の持つアイデアと彼らの持つノウハウをミックスしようと考えました。

例えば、シャープでエアコンのエキスパートだった元社員はスマホを使って誰でも簡単に遠隔操作できるエアコンを開発。

他製品でも同性能なら大手他社の半値程度で売り出し、シェアを拡大させました。

この発想力の秘密は企業文化である「新商品開発会議」を毎週開催していることです。その場で様々なアイデアが出され、アイデアと同等に重要な判断基準として価格を重視しています。客が値ごろと感じる価格にできるかが、製品化の絶対条件となっているようです。

 

広告宣伝施策

仙台市に本拠を構えるプロスポーツチームと結び付きが強く、2004年よりベガルタ仙台のメインユニフォームスポンサーとしてユニフォーム胸部分に、2008年からは東北楽天ゴールデンイーグルスのメインスポンサーとしてユニフォーム左胸部分に、それぞれ企業ロゴを刺繍させています。また、仙台フィルハーモニー管弦楽団も支援しています。

スポンサーは、原則として全国ネット番組のみであり、宮城県ローカル番組のレギュラー提供番組はありません。大阪発祥の企業であるため、大阪製作の番組のスポンサーになることもあります。

地元に根ざして中小企業の完成形とも言える形ですね。

 

特に伝えたいところ

なんと当社は上場する必要はないと公言しています。

普通みんな上場目指すと思いますよね。

上場のメリットは知名度の上昇や資金調達ですが、知名度は既に地元宮城のみならず全国区で知れ渡っていますし、広告も積極的です。また、資金力も過年度積み上げてきた内部留保も潤沢ですし、業界地位や組織体制も踏まえた信用から、銀行団による支援も盤石でしょう。

大山社長は上場しない理由として更に興味深いことを言っていました。

それは上場することによる制約です。インサイダー情報の取り扱いは厳重な対応が必要となることから、社員間の情報交換がどうしてもスピードが落ちてしまうようです。経営者として即断即決、スピード感を大事にしている当社の理念に反するという考えなのでしょうね。その他にも上場後は四半期報告、監査法人からのQ&A等かなりの事務手間がかかりますから、リソースを割きたくないという考えもあるのかもしれません。

当社は大手家電メーカーが売り出している商品により一工夫加えた商材を開発・販売までスピード感をもって世に出すことで成長してきた企業です。ある意味そこが当社の強みでもあるので、少しでも障壁となるようなところは除外したいのでしょう。

 

新商品開発

アイリスオーヤマは、新商品(発売から3年以内の商品)の割合を全商品の売り上げの5割以上とすることを目標に掲げています。すごい。

2021年12月時点では新商品の割合は6割以上であり、目標を達成しています。有言実行ですね。

年間1000点以上の新商品を毎年開発、発売していることになりますが、企画から新商品発売までの速さは他社の2倍の速さになるとアイリスオーヤマの常務取締役研究開発本部長は語っています。

社長を始め、経営陣、各部署の関係者約50人を前に新商品企画のプレゼンテーションを行う「新商品開発会議」では、企画の可否がその場で決定されます。また、「伴走方式」と呼ばれる商品開発、知的財産、応用研究、品質管理、生産技術といった通常なら順に行われる各部署の作業が同時並行で行われることも、新商品発売までの期間を短くすることに貢献しているようです。

 

関連会社

実は近時ではめちゃくちゃ買収しています。これだけの買収、事業譲渡(譲受)、グループ会社新設、工場開設等物凄い投資の多さです。買収資金について借入ができるものもあるにせよ、各投資案件ごと一定のエクイティを求められますから、成長力に裏打ちされた経常収支を源泉とする相応な資金拠出をしているのでしょう。

きっとROEもいい数値なんでしょうね。

 

まとめ

毎週新商品を開発しているような企業はあまり聞いたことがないです。

このサイトは世の中のペインを見つけ、将来解消していくべきテーマを定め、どのように解決していくかを考えることを目的としています。

その分、毎週新しいものを生み出していくことがどれだけ大変か若輩ながらもわかっているつもりです。本当にすごい企業だと思います。

ぜひアイリスオーヤマの痒いところに手が届く製品をみなさんも使ってみてくださいね!

                           寿喜男。

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